前記事のドライブツアー
zaoukama.hatenablog.jp
のなかで、ちょっと別に書き記しておきたいと思ったことをふたつほど。
ひとつは、岩手県の祭畤大橋 遺構。ツアー最初に訪問した場所です。
具体的な落橋過程の解説は書物や他ウェブサイト、また現地の案内板に委ねます。
ざっくり説明すると、地震による地すべりで橋台*1と橋脚が大きくずれたことが引き金となり崩落に至った、というものです。
現在はすぐ上流に新しいコンクリート橋が架けられており、対岸とのアクセスは確保されています。
駐車場と展望台があることは知っていたのですが、訪問時は除雪されていませんでした。
よ~く考えなくても、ごく普通に冬季閉鎖の可能性がありましたな…
仕方なく、安全な路肩に車を停め、新しい橋から眺めました。
中間側が完全に落ちてしまっているのはご覧の通り。
橋脚直上部の鋼桁が大きく変形してしまっています。
展望台には解説看板とともに、損傷した桁の一部が展示されています。
この橋だって、耐震設計はされていました。しかし災害は、それすらも易々と打ち壊していきました。
自然の猛威を骨に刻み、遺構を後にしました。
もうひとつは、釜石自動車道や三陸自動車道の新規開通。
昨日のドライブを私は、前記事で嬉々と語ったとおり、高速道路の新規開通として純粋に楽しんでいました。しかし、これらの路線の整備が急速に進んだ背景には、東日本大震災があったことを踏まえねばなりません。いずれも計画自体は以前からあったものの、震災を機に「復興支援道路」や「復興道路」と位置づけられ、次々と着工されてきました。
奇しくも、この記事を書いたのは3月11日その日であります。犠牲者の方々への祈りとともに、高速道路の活用を通して復興が進むことへの期待をここに込めさせていただきたく存じます。
ところで、道の駅 遠野風の丘では、釜石道開通の祝賀ムード一色でした。
新しいインフラがこうして地元の方々に最大限の賛辞をもって迎え入れられていることに、私は感動を禁じ得ませんでした。
4月から私も、こうした土木インフラを整備する職に就くことが決まっています。
釜石道や三陸道のような、地域の方々に喜ばれる仕事がしたいものです。
それと同時に、来たる災害に備える仕事も求められることでしょう。祭畤大橋のようなインフラの破局的な崩壊、ましてや、人命が奪われることは防がねばなりません。
災害に立ち向かう仕事。地域に貢献する仕事。
これらを担う職業人となるにあたり決意を新たにした、そんなドライブツアーにもなりました。
*1:橋の両端(両岸)の土台。