蔵王山麓ゆるく往く

旅行やメカを中心に、私の気に入ったモノや事のべた褒めレビューを書き殴ります。

舞台けものフレンズ JAPARI STAGE みてきました!

舞台けものフレンズ、新作公演!
ネルケプランニング制作版の第3作となります。

前作に引き続き、しながわちほーに足を運んできました。

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2日目 夜公演。今回も「品川プリンスホテル クラブeX」での上映。

 

なお本作は、千秋楽公演がニコニコ生放送で配信されました。
プレミアム会員であれば*1、放送後30日間はタイムシフト視聴が可能です。また、ネルケ版舞台第1作・第2作も今なら同様にタイムシフト視聴できます。(2020/3/20追記: タイムシフト配信は終了しています。また公式告知ツイートの貼付けを削除しました。)

=LOVE版も配信して… あにてれでも配信終了したらしいし…

 

さて今作ですが、やはりアニメ版とは一味違った魅力にあふれており、前作同様「信じて観に行って良かった。」と思える内容でした。特に今作は、アニメ版からの独り立ちを目指した作品という見方がありますが(後述)、それも果たされていたといえましょう。

しかもストーリーとしては前作超えどころか『けものフレンズ』作品内でも屈指の感動作でした…!

 

以下、ネタバレ含めた感想をしゃべっていきます。

↓スクロールしてネタバレ部分へ↓ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本作の主役フレンズはオオミミギツネ。サンドスターで彼女が生まれたところから、本作の物語が始まります。

オカピ、クロやん(クロヒョウ)、たぬぱんち(タヌキ)、それからホワイトタイガーはもうすっかり舞台版のレギュラーになりましたね。タヌキちゃんは完全にあざといキャラで行くのかな。また、ヒツジも第1作以来の登場です。

 

昔「学校」があったという場所で、パークの謎を解き明かす「ジャパリアカデミー」を開こうとするサバンナのフレンズ。しかしそこに鳥のフレンズの一団が現れ、リーダーを巡って 陸vs空 での対立が勃発してしまうーーー
というのが序盤のストーリーです。

後に、対立の理由… というより、鳥のフレンズが強い態度をとる理由が明かされます。
その理由というのは「おひさまシステム」が壊れてパークのエネルギーが無くなりかけており、かわりに、建っているままで動いていない「風車」を直そうというもの。
これに協力しようと、陸のフレンズもこっそり動き出します。オカピはマンモスに教えを請おうと、一人で図書館へ。

ああ、でも今作からはマンモス姐さんは出ないんだなぁ… 観ていてここでまず、名残惜しい気持ちになりました。
なお、ここで離脱して以降、フィナーレまでオカピちゃんの出番はありませんでした。かなしい…()

 

ところで今作ではもうひとり、重要なフレンズが出てきます。

それは「シベリアンハスキー」。彼女も今回サンドスターで誕生したフレンズです。

彼女は “ヒトのことを知っているかもしれない” といいます。しばらくお話が進み「学校」のあった場所で、その記憶を思い出します。

そして、その記憶から、今作のストーリーの核心部分へと切り込んでいきます。
というか、前半の「ブターー!!」やどったんばったんからは全く想像もつかない展開でした。

 

かつて、その場所にあった学校の、とある部活。記憶の中のシベリアンハスキーはその部の飼い犬で「部長」と呼ばれ可愛がられていました。しかし、ある日、1日たった2本しか走らないトロッコ列車に…

舞台が暗転した時、正直あ然としました。けものフレンズでそんな展開になるとは…

 

物語はフレンズの時代へと戻り。
ややあって、ほら穴の奥で「ふしぎなできごと」が起こります。

え、そういう系の話、個人的にはどストライク… 

そのあとはもう、「穴」を挟んでフレンズと野鳥観察部が交流するシーンとか、いちいち尊いんですわ…

フレンズの時代に建っている風車。この風車は実は、学校のある時代には既に建てられていたようです。

学校のある時代でその風車をめぐり問答になるなか、学長から、ジャパリパークの原型ともとれる計画が明かされます。
ジャパリパーク創設の経緯が、まさかここで明かされるとは… 舞台版のみの設定かもしれませんが、けものフレンズ考察班に衝撃が走ったことは確かかと。

 

やがて風車の制御盤も壊れていることが分かり、その部品を「穴」を通して、りりちゃんに渡して修理してもらうことに。

その修理の合間に挟まれたワンシーンで、学長が植えた「学びの木」がフレンズのいる時代の「大きな木」であることを示唆する描写。やはり学校のある時代から舞台けもフレの時代までは、それだけの時が経っていたのですね。

 

学校での、風車の制御盤の部品の修理は無事に終わったようです。ここでケツァールの(これ重要)コスしたさっちゃんも、よい…

が、丁度そのタイミングで、セルリアン戦の衝撃により穴は塞がり、学校の時代とフレンズの時代は引き離されてしまいます。そのシーンの曲がまた、涙を誘いました。

部品はついにフレンズたちに渡されることはありませんでした。しかし、ハスキーちゃんが「大事なものはゼッタイに忘れない場所に掘って埋める。そして使うときには、ここ掘れワンワン」と言ったところで何かを思いつき、「大きな木」の根元には果たしてタイムカプセルがあった…

このシーン、「Friends」と書かれたカプセルから部品が出てきたとき、控えめに言って鳥肌が立ちました…!

演出としてはベタなものなのかもしれませんが、本作における「きせき」にとてもマッチした演出で、非常に感動的な物語となりました。現地では思わず声が出そうになったし、ニコ生では我ながら珍しくうっすら涙目に…
構成としても、前のシーンでも同じセリフが出ており、それがクライマックスで活かされるという美しい伏線回収でした。また「学びの木」が「ゼッタイに忘れない場所」*2として遠い未来へ部品を運んだ、というストーリーも見事でした。

 

風車は無事に直り、パークの「大きな木」に再び明かりが灯ります。

これにて大団円。かと思いきや、そこからさらに“ケツァール”のフレンズが、しかも、さっちゃんのコスプレ姿と瓜二つで登場という…。
畳み掛けるように奇跡がふりかかります。ここでそう出てくるか… と膝を打つ展開でした。
ハスキーちゃんの溢れんばかりの笑顔がとても印象的でした。

 

そしてフィナーレの 新曲→けものみち→けものとおどろう→ようジャパ というメドレー。ひかるぼー を持っていないことを激しく後悔するラインナップでした。
『けものとおどろう』は舞台曲のなかでも特に好きな曲で、前作で流れてテンション上がって以来、自分的には完全にネルケ舞台のテーマソング認定までしてるくらいです。また『けものみち』も屈指の名曲ですが、今作でも歌われるとは思ってませんでした。

新曲すごい良かった。次はけものとおどろう来るか… けものみちだー! はぁよかった… けものとおどろうキターーー! そして〆はやっぱり国歌ようジャパ…!

 

そうして、感動そして興奮の舞台が幕を下ろしました。

シベリアンハスキーちゃん、彼女は本作の第二の主人公ともいえる活躍でした。というか、中盤以降の、ハスキーと野鳥観察部の「ちいさなきせき」のお話がもう感動的でした。

今回の舞台では、『けものフレンズ』というコンテンツで「そういういのもいけるんだ~」ってのを魅せつけられました。

 

 

さて、公式パンフレットでの、脚本・演出 村上大樹氏の挨拶には次のようにあります。

アニメ版の声優陣+舞台オリジナルキャストの合体チームでお届けした前2作と違って、今回は舞台オリジナルキャストのみでの公演になります。(中略)
舞台でしか見られない、舞台ならではのけもフレを作りたい。そんな思いを込めてタイトルも「3」 ではなく「JAPARI STAGE!」と新しくしました。

確かにクレジットを見渡してみると、アニメ出演フレンズも本舞台ではみんな独自のキャストでした*3
ストーリー的にも、『舞台けものフレンズ』(第1作)はアニメ1期のスピンオフのような印象だったのに比べて今作は、第1作と『舞台けものフレンズ2~ゆきふるよるのけものたち~』(第2作)の続きのお話でありながら、ほぼ完全に「舞台版」として独り立ちしたように見えました。こういうのでいくんだなー

それから、


こういった演出も、映像・画像作品ではできないでしょう。
演技だけですと、さもシベリアンハスキーの“フレンズ”が部員(ヒト)たちとワイワイなかよくおしゃべりしてる、そんなシーンに見えました。加えて、トロッコ列車に・・・たのはさっちゃんだったと、最初は思いこんでました。
そういうのの真相が後になって分かるというのも面白いなと、観劇というものの経験がほぼ無いながらに感じました。

ときに舞台版は、他媒体版のに比べて一番、ジャパリパークの情勢が厳しいように見えます… 本作では一度パークのエネルギー全喪失したじゃん…
じゃぱりまんの劣化は言わずもがな、今回ボス(ラッキービースト)が出てこなかったのも、エネルギー不足が原因だと冷奴できますね。

舞台の上のジャパリパークは今後どうなってしまうのでしょうか…?

 

そんな舞台版が今後何作も続くことを、それから、今作のサントラが出ることを祈って*4、とっ散らかったままですが感想記事を〆たいと思います。

 

そういえば“舞台ならでは”とはいいますが、「ゆるぺぱ」はいまどんな感じでしょう。しばらく前に「あにてれ」課金止めちゃったもんで…。

 

余談。

千秋楽ニコ生の際、学長が風車を止めた理由それの元ネタと思われる記事がtwitterで流れてきたので、紹介しときます。

news.livedoor.com

*1:本放送時も中盤以降がプレミアム会員限定配信でした。それはそうと、3作を550円で観れるのはお得だと思う

*2:少々無粋な考察を。「学びの木」のことはハスキーちゃんは知らないはずです。“むかし学校があった場所”にある木としてはアタリは付くかもしれませんが、「忘れない」のとはちょっと違うんでないの?と感想文書きながら気づいてしまいました。そうなると「ゼッタイに忘れない場所」としては洞窟の奥が相応しいのではないかと。フレンズの時代まで洞窟が残っていることは分かっているのだし。ただ、「ここ掘れワンワン」で掘る演技の見せ方は難しいかもしれませんが…

*3:タヌキ役の加藤里保菜さんはアニメ「2」にも同役で出てましたけど、舞台第1作で先にキャスティングされてましたし。

*4:『ゆきふる~』のもよろしく…