蔵王山麓ゆるく往く

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SD-Jukeboxのサポートが終了したらしい ~SD-Audioの終焉か~

いま広く使われている携帯音楽プレーヤーは、大体walkmaniPodになってしまったでしょうか。
昔、それこそ「MP3プレーヤー」なんて呼ばれてた時代にはもっと色々なメーカーから個性的な製品が多数出ていたように記憶しています。


私がかつてメインで使っていたプレーヤーはコチラ。

Panasonic SV-SD850N D-snap

Panasonic SV-SD850N

Panasonicが発売していた「D-snap」シリーズです。

私の愛機SD850Nは2007年ごろ購入、使い込んだのでボタン周りがひび割れてしまっています。音質は低音が強め、あと優秀なノイズキャンセリング機能を備えています。FMチューナーも搭載。電池は相当保つ。


携帯音楽プレーヤーとしてのD-snapは、「SD-Audio」という規格でSDカードに音楽を記録していたのが最大の特徴でした。

今日はそんな「D-snap」と「SD-Audio」の思い出話です。

 

 

SD-Audio対応プレーヤーは、楽曲の記録容量をSDカード(私の機種はSDHCまで対応)が手に入る限り拡張でき、また例えばジャンルによってカードを使い分けるなんてことも可能でした。

D-snapとSDカード

沢山のカード達。一枚一枚が今では低容量ですね(笑) ちなみに画像下のカードが本体付属品でした。

私はアニソン、その他J-POP、東方BGM・アレンジ、CDドラマ、といった具合に使い分けていました。カードを分けることで、聴きたいジャンルを集中して聴くとか、あるいはJ-POPしか流せないような空気のとき間違っても電波ソングが流れないようにするとか、そういった活用の幅がありました。また、大学受験期には英語リスニングCD用に1枚カードを仕立てて、色々な問題集のCDをまとめて収録したりもしていました。

SD-Audio対応機種であれば、カードを差し替えるだけでお気に入り曲をあらゆる機種で再生可能というのも利点でした。Panasonic製品ではミニコンポ「D-dock」やDVD・BDレコーダー「DIGA」、またカーナビ「Strada」が対応していました。携帯電話ではPanasonic製以外でも対応機種は多数あり、私はdocomoN-06A」でも活用していました。

斜め上の利用法としてSDカードそのものを、デジカメの容量が絶えたときのピンチヒッターにするという使い方もやってましたww

 

そんな一見便利なSD-Audio、これが今では厄介で…

SD-Audioは、まだ楽曲配信においてDRMが厳しかった時代に登場した、SDカードの著作権保護機能を活用した規格です。それによるコピーガードのため、楽曲の記録・管理には専用のSDカードスロット*1と専用ソフト(後述)が必要でした。当然ながらリッピングした音楽ファイルは、SDに書き出すorそのままソフトで聴く 以外の使い回しはできません。
その他にも細かな制約が色々あったり、また携帯音楽プレーヤー市場ではwalkmaniPodの寡占を前にシェアを伸ばせず2008年にD-snap撤退と、あまり流行らぬままSD-Audioの命運は尽きてしまいました。

ちなみに録音*2などは、D-dockやDIGAでも可能でした。これらも、SD-Audioの機能はD-snap展開終了前後の機種以降では削除されてしまいましたが…


さて、その専用ソフトの数少ないうちのひとつが 「SD-Jukebox」というソフトです。私はD-snapにバンドルされていたものを使用しています。

SD-Jukebox メイン画面

SD-Jukebox メイン画面

CDから取り込んで記録する分には別にiTunesMedia GOなどと使用感は大差ありません。Gracenoteのサービスも使えるのでタイトルも自動でつけられます。
しかしこのソフト、PC内ファイルのインポートでmp4とかm4aを読み込めないという機能不足が…。私がネットで配信楽曲を購入するようになったとき*3はもうSD-Audio形式で販売するサービスは終了していて、一方でDRMフリー化は進んでいました。というわけでどうしていたかというと、

ListenJapanからダウンロード→wavに変換してSD-Jukeboxにインポート→タイトル情報とか変換で消えるので付け直し→SDに転送

…めんどくさ。

2007年にD-snapを買って以来それしか持っていなかった当時はそうしてました。が、2014年にAndroidタブレットを買ってからはタブレット+Media GO+moraに移行し、D-snapはポータブルFMとして第二の人生を歩ませています。

 

そんな折に入ってきたお知らせが、

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SD-Jukeboxをご利用のお客様への重要なお知らせ」(Panasonic公式サイト より)

(http://av.jpn.support.panasonic.com/support/software/info/sdjb_notice3.html :2018/5/10閲覧)

要するにSD-Jukeboxのサポート終了、それに伴いセキュリティプログラムの配信も終了するので、以降再インストールすると起動できなくなる、とのことでした。
著作権保護用の初回起動認証ができなくなる、と捉えて正解でしょうか。

今私がSD-Jukeboxを入れているPCも来年にはお役御免の見通しですが、来る新しいPCのもとではもうD-Snapを活用できなくなることが確定してしまいました。もっとも、SD-JukeboxはWindows10非対応のままでしたが。
中古でも何でもD-Dockを探し出してくればリッピングならできるんでしょうが、そこまでするかと言われても…

いつどこでも心地よい音楽を再生してくれた、私の青春を支えてくれたプレーヤーと規格。
彼らがまもなく、静かにその役目を終えます。

 

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ありがとう、D-snap。ありがとう、SD-Audio

*1:これはまあD-snap本体をUSB接続で当然OK

*2:というかCDリッピング

*3:2009年頃だったでしょうか